Lazy Bear

Categories

Archive

Site search

Feeds

Meta

マネーボール

ア・リーグ西地区の球団、アスレチックス。年間予算は3000万ドルほどと、同地区のヤンキースと比較すると4分の1以下という弱小球団だった。数少ない有望な選手も高額の年俸で他球団へ引き抜かれ、まともに勝負する事も出来ないこの状況を、元選手のGMビリー・ビーンは、ピーター・ブランドという経済学を専攻した人物を引き抜き、マネーボール理論と呼ばれる特殊な方法を用いて打開する事を画策する。しかし、これまで常識とされてきた事柄を真っ向から否定するこの方法に、チーム内外から大きな反発を受ける。

主演はブラッド・ピット。
これはメジャーリーグのアスレチックスで実際に起った出来事を映画化したものです。そのため、作中には実際の映像が割とこまめに挟まれています。
球団において、オーナーとGMと監督の役割がよく分かる、どちらかと言えばスポーツというより経営目線の映画でした。話の大筋となるマネーボール理論については、作中で非常に分かりやすく細かに説明されるので、野球に詳しくなくとも問題はありません。またマネーボール理論というのもさほど複雑なものではないので、特別構えて見るようなものではありません。
高額年俸も払えないため有力な選手も雇えない状況を、これまでとは全く違った考え方で工夫し優勝を目指すという、言ってしまえば下克上のお話。この知恵と工夫で勝つという展開は中々燃えるのですが、やはり序盤は反発を食らって思うようにならず、やきもきさせられるというのもたまりません。
あくまでこれは実話であるため、これといってドラマチックな事も無く、あっと驚くようなオチがある訳でもありません。では何が見所かと言えば、あまりにアンフェアな戦いを強いられる状況を、あれこれと工夫し知恵を絞り周囲の理解を得ようとする、主人公ビリーの苦悩する姿につきます。おそらく非常に短気で感情的な行動に出やすい性格なのでしょうが、しょっちゅうイライラする割に”何度勝っても最後に負けたら意味が無い”とドライな部分もあったり、とても魅力ある人物です。話はマネーボール理論を取り入れてから1年間で終わるのだけれど、彼の最後の選択からその後の続きも見てみたいなと思います。もっとも、安易に2とかナンバリングしちゃうと、非常に面白くなくなる予感がするのだけど。

オススメ度は5−。ブラッド・ピットのファンは元より、下克上モノが好きな人にもお勧めです。特に野球の知識は必要としないので、そのあたりは特に気にする必要はありません。

Write a comment