Lazy Bear

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少年は残酷な弓を射る

エヴァは小さな借家で一人ひっそりと暮らしていた。近隣の人は彼女に対して敵意を剥き出しにし、エヴァもまたそれを受け入れていた。
エヴァにはケヴィンという息子がおり、彼は現在収監中である。ケヴィンは産まれた時から何故か、エヴァに対して一切懐こうとしていなかった。


久し振りの単館映画です。
得体の知れない子供が凶行に走る過程を、母親の視点で描いた映画です。
ケヴィンは知能が高く、どこか不気味な雰囲気を醸している独特なキャラクターでした。幼年期と少年期とあり、印象としては幼年期の方がやや登場時間が長かったように思います。その振る舞いは、如何にも子供っぽいものの、どこか確信犯的で、妙な知性を感じさせるものでした。そのため、エヴァがケヴィンに対してある種の不安や恐怖を感じているにも関わらず、夫のフランクリンや妹のセリアはケヴィンを良い人と信じ切っている、このすれ違いの構図がホラーチックで面白かったです。
最終的に、ケヴィンは何故凶行に及んだのか、という点に集約されますが、その辺りは個人的にあまりしっくりは来ませんでした。明言せず匂わせる程度の演出ならともかく、せっかくあれこれ伏線ぽいセリフがあったのだから、そこと掛ける感じだったらもっと印象は変わったと思います。どうにもあっさりし過ぎているのが勿体ない印象でした。
得体の知れない子供繋がりという事で、昔「マイキー」という映画を観たことがあります。こちらは特に両親(里親)との心の交流には重きを置かず、幼年期の子が派手にやる映画なんだけれど、知性が高く何を考えているのか分からない恐怖感は似ていると思います。
何となく、子育てに行き詰まりかけた親がぶち当たる問題をホラーにした、そんな印象を受ける映画でした。

オススメ度は4−。ホラーとしてはなかなか面白いと思います。が、如何せん上映している映画館が少な過ぎる。

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