Lazy Bear

Categories

Archive

Site search

Feeds

Meta

人生の特等席

メジャーリーグで、長年敏腕スカウトマンとして活躍してきたガスだったが、ここ最近では年令による衰えを感じ始めてきた。しかし、生来の負けん気の強さで、自らの衰えを頑なに認めようとはしなかった。
彼の一人娘であるミッキーは、大手法律事務所に務める弁護士で、昇進のチャンスを掴んだ、まさに人生の勝負所を迎えていた。だがそんな時、ガスの親友であるピートからガスの異変を知らされる。元々親子の関係はあまり良くは無かったが、ミッキーはガスを見捨てる訳にもいかず彼の元へ駆けつける。


主演はクリント・イーストウッド。「グラン・トリノ」で俳優業を引退すると宣言したのですが、結局カムバックして来ました。どうやら今後も俳優業を行うようです。
偏屈な年寄りスカウトマンと、その娘との人生ドラマといった内容です。二人の関係は非常にドライで、お互い自己責任で仕事を優先する、といった姿勢だったのだけれど、結局ミッキーはガスを見放せず、スカウト業を通じて関係を修復していくといった展開でした。
主人公のガスはやたら偏屈で口が悪く、良くも悪くも古い男でした。前もそうだったけれど、クリント・イーストウッドは自分がそう見られていると思って演技しているようにしか思えません。あまりに感じが悪すぎて、一周して愛着すら覚えるような人物です。娘のミッキーは明らかにその血を引いていると思える言動が時折あって、そんな二人のやり取りが非常に面白かったです。
親子関係の修復とは言っても、そういった二人なので、9割方は衝突です。けれど、お互いそれを引き摺ったりせず、付かず離れずの間柄が、微笑ましくもあったりやきもきもしたり。
そんな二人にはそれぞれライバルが居るのだけど、どちらも何となく似たタイプなのが笑えました。こういった性格の人間は、似たような傾向の人間を敵にしがちなのかも知れません。そんな印象を受けました。
「マネー・ボール」とは違った野球とスカウトのお話ですが、どちらかと言えば野球よりも親子関係の方に重点が置かれています。野球を知らなくても十分楽しめるし、なかなか壮快な結末を迎える人間ドラマでした。こういうスッキリした終わり方をする作品は、下手なひねりがない分、安心して楽しめます。

オススメ度は4+。イーストウッドの比率が高過ぎる気もしますが、その分彼の魅力を十分に楽しむ事が出来ます。

Write a comment