Lazy Bear

Categories

Archive

Site search

Feeds

Meta

そして父になる

一流企業に務める野々宮良多は、仕事も順調に進み、息子も生まれ、順風満帆な人生を送ってきた。そんなある日、息子慶多が生まれた病院から連絡が来る。訳も分からず訪問すると、6年前の出産時に子供の取り違えがあり、これまで育ててきた息子は他人の息子だった事を告げられる。
突然の事で戸惑う野々宮夫妻だが、将来の事を考えた場合、子供は交換すべきだと勧められる。言われるがまま、まずは相手方の夫婦と会うことにする。


監督は是枝裕和。主演は福山雅治。
子供の取り違えという事態に遭遇した2組の夫婦の、子供を巡るヒューマンドラマのような作品です。
子供に対しての考え方や接し方が4人とも異なり、交換するのか現状維持なのか、ともかくどのようにこの難問に対処するのか、それが一番の見所です。血の繋がりよりも過ごした時間を取る、というのがこの手のお話のお約束かと思っていたら、随所に血の繋がりから目を背けさせない要素を盛り込み、否が応でも他人の子供を育てているという事実を突きつけて来ます。折り合いをつけていくためにも、交換以外の方法を模索したり、またこの事実により誹謗中傷を受けているのではないかと神経質になったり、状況が解決に向かっているのかどうかも分からない泥沼が続いていく中、夫妻も親としての自覚に一つまた一つと成長を見せていきます。その末の最後の決断は、非常に単純でありながらも、とても重みのある判断ではないかと感じました。
ちなみに、現在の医療体制では子供の取り違えはまず置きません。本作ではその辺りにも言及していて、何故事件が起こってしまったのかについてもきちんとした説明がなされます。

オススメ度は5。主演俳優を始めとする役者陣の熱演もさることながら、決して綺麗事に逃げない脚本も非常に面白かったです。

Write a comment