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利休にたずねよ

豊臣秀吉に蟄居を命じられた利休は、切腹により自らの生涯に幕を下ろす。その直前、利休の妻は、利休に他に誰か想い人がいたのではないかと訊ねる。

主演は市川海老蔵。
実在の人物である千利休の半生を描いた作品。千利休と言えば、侘茶の創始者である茶人として有名な人物です。本作ではそれ以外にも、様々な趣向を凝らして人々を感心させるアーティスト的な面も描いています。史実の利休は商人として様々な茶器などを扱っていたため、その辺りのエピソードを引っ張ってきたようです。
ストーリーは娯楽作品寄りで、基本的にはイメージを重視しているように感じました。そのため、あまり歴史考証を厳密にはやらず、世間一般の持つ利休のイメージを膨らませて脚本を作ったように思います。
作中ではやはり茶室のシーンが非常に多いのですが、そこでのあらゆる所作は、流石に歌舞伎界の有名人だけあって、非常に丁寧で素晴らしい物だったと感じました。ただ、やや丁寧過ぎるきらいがあり、そのために間が持たないシーンも無くもありません。
一つ気になったのが、利休の若かりし頃のエピソード。これが本作での利休の原点になっているようでしたが、内容が輪をかけて滅茶苦茶で、その後の利休にもまるで繋がらず、本当に意味が不明でした。そのため、ここの部分だけが異様に浮いて見えます。元々歴史考証はなってないのだけど、そういうレベルではなくて、変に取ってつけたような幕です。そもそも必要なのだろうか?と疑問にすら感じました。好意的に解釈すれば、創作を大胆に入れてみた、となる所ですけれど。。
美術的な部分は文句の付けようがありません。なので、もうちょっと歴史考証を頑張ってくれたら、かなりの良作になったのではないかと思います。

オススメ度は4−。娯楽作品としては十分に面白い作品です。ただ、戦国ファン向けかと言えば、少々疑問な内容です。

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