Lazy Bear

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アカヒは駄目だ

仕事もそこそこに早々と帰宅した僕は、夕食の準備をしていました。
今夜は冷房を効かせた部屋でモツ鍋を食べてやろうという不思議な企画をしていたんですが、ふと部屋の外から男の声が。

ドアに耳を当てて聞いてみると、どうも各部屋を回っては引っ越しの挨拶をしているようでした。しかしおかしいのがその後。ドアを開けた人に、なんか質問をしているのです。「今、新聞は何をお取ですか?」と。そう、また近所のチョンイル新聞の販売店が回ってきたのです。

前に警察沙汰にしようとした事もあって、僕の部屋は長らく拡張員にスルーされて来たんですが。今日は来ましたね、久しぶりに。

「こんばんわ、ちょっとすみません」
「はい、何か」
「御挨拶が遅れて申し訳ありません。このたび、こちらへ引っ越してきた者で、挨拶に伺いました」
「このアパートに住んでいるんですか?」
「はい、住んでいます」
「何号室?」
「この部屋の真下です」
「だから何号室?」
「いえ、来たばかりでちょっと覚えていなくて」
「ふうん。前もそう言ってた人がいたけど、アカヒの拡張員だったんだよね。また同じ手口かな?」
「はあ……」
「とりあえず、不動産屋に確認取っていい?」

アカヒは逃げ出した!

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