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シッコ

アポなし突撃取材で様々な社会問題を切り、独自の調査を映画にするスタイルで有名な映画監督、マイケル=ムーア。
彼が今回のテーマに選んだのはアメリカの保険制度だった。アメリカの保険制度は西側で唯一国民皆保険制が実施されていない。その利益至上型の欠陥だらけの保険制度を、様々な立場の人や各国の保険制度を取材する。

「ボウリング・フォー・コロンバイン」では銃社会を、「華氏911」ではテロとそれに関わる人々をテーマにし、どちらかといえばターゲットにされた団体や業界からは悪名の高いマイケル=ムーア。今回は保険制度ということで、僕も今年は何年かぶりに病院の世話にもなったので非常に興味深く見ていました。
冒頭から医療費が払えず傷口を自分で縫う人が登場、それから指先を二本切断するものの縫合に必要な費用があまりに高く片方しか縫合しなかった人、保険に加入するものの自己負担額が高すぎて破産してしまう人など、およそ先進国の出来事とは思えない光景が次々飛び出します。

「華氏911」の時ほど悪ふざけは無く、普通なら躊躇うような質問もどんどん投げかけ問題と背景を浮き彫りにしていく展開が非常に良かった。ただ、全て現実の出来事であるため娯楽として楽しめないのもまた事実。日本もあまり笑ってはいられない状況、保険制度の大切さを再認識するには良い映画だと思います。

オススメ度は4+。これはある意味ホラーよりも背筋の凍る映画です。楽しむ映画ではないけれど、是非とも観覧し医療と保険について今一度考えるべきだと思います。

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