Lazy Bear

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完全なるチェックメイト

米ソ冷戦時代、アイルランドで行われたチェスの世界大会は、全世界中の注目を集めていた。現世界王者であるソ連のボリス・スパスキー、彼に挑戦するのはアメリカの新鋭ボビー・フィッシャー。しかしボビーは第一戦で信じられないミスから敗北、第二戦目に至っては会場にすら現れないという奇行をしていた。


主演はトビー・マグワイア。チェスの世界では伝説的な存在であるボビー・フィッシャーの半生を描いた作品。
まず印象に残ったのは、ボビーの早熟さとそれが故の傲慢さ、そして少しずつ明確に狂っていく過程です。とにかくこれはトビー・マグワイアの鬼気迫る演技が凄かったです。
ボビー・フィッシャーは天才が故に精神に問題を持っていたのかと思いきや、この狂気はボビーに限らないという後半の展開には唖然としました。チェスの闇とでも言うべきか、本当にそんな恐ろしい世界を垣間見た気がします。だからこそ、史上最高の試合と呼ばれたという第六戦が生まれたのかも知れません。この、狂気が生み出したという試合には本当に興味がわきます。
狂気という意味では「セッション」にも似た世界観ですが、これは実話が元になっている分、異様な説得力があります。

オススメ度は5。トビー・マグワイアの怪演は本当に一見の価値有りです。英雄と狂人の間を絶妙なバランスで描いた傑作と言っても良いでしょう。

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