だれかの木琴
引っ越して間もない主婦の小夜子は、偶然見つけた美容室MINTへ入る。担当の山田から夜になって営業のメールが来るが、それをきっかけに小夜子は頻繁に山田へメールを送り店にも通うようになる。やがて山田のアパートにまで来るようになると、山田は小夜子の異常さに気付き警戒を露わにする。その頃には既に小夜子の家庭までもが違和感に気付き始める。
主演は常盤貴子。
平凡な主婦がふとしたきっかけに無自覚にストーカーと化すサイコサスペンスなストーリー。よくあるストーカーやサイコパス作品は、往々にして激情を露わにしたり破壊的な行動に出たりするのですが、本作の主人公はそういった要素がなく、ただただ静かに淡々と狂っている人物に描かれていました。そのため、ぱっと見は本当に何でもないような人物に見えるのだけどどこかしら行動がおかしく、時にとんでもない緊迫するシーンを作り出してしまったりします。そのため本当に何気ない行動にも異常さを感じたり、また修羅場を作り出すのではと思わず緊張させられてしまいました。こういうじわじわと来るタイプのストーカーものは初めて見たと思います。別段暴力も無ければ異様な表情をむき出しにする事もないけれど、静かに狂気を感じる演技は凄いです。
オススメ度は4。なかなか緊張感を煽る良いサスペンス作品だと思います。ただ結構洒落にならないような人もいるかも知れない設定なので、もしかすると胃が痛くなるかも知れません。
Posted: 10 月 22nd, 2016 under 2016, 映画.
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