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ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男

南北戦争末期、ニュートンは戦死した甥の遺体を家族の元へ届けるべく南軍から無断で抜け出す。故郷で南軍の徴収係と揉めお尋ね者となった彼は、同じく南軍から脱走した白人、農園から脱走した黒人と双方を率いて、南軍の戦時徴収に抵抗を始める。やがて戦いは激化、遂にニュートンは肌の色で差別をしないジョーンズ自由州の設立を宣言する。


主演はマシュー・マコノヒー。南北戦争時代に実在したニュートン・ナイトという人物の半生を描いた作品です。
奴隷解放宣言よりも早く、黒人差別の強い南部で黒人差別を無くそうとした人物といった感じです。実際に根底にあるのは南軍や大地主のような金持ちからの搾取に対する怒りと抵抗で、その手段としたのが脱走兵や黒人奴隷を集めて独立軍を編成する、という印象を受けました。確かに不平等さに対する怒りはあったけれど、それだけが行動原理ではないような気がします。特に自由州制定の辺りはいささか傲慢さがあるように見えたのは僕だけかも知れませんが。
戦争時代の映画であるため、冒頭は相当に過激な戦争の描写があります。金持ちの代わりに戦わされる兵士の命がどれだけ軽いか、これでもかと見せつけるような印象を受けました。けれど、それ以後はあまりこういった過激な描写はありません。KKKが出て来た時も意外とソフトな描写で終わっていました。南北戦争がそもそも悪いんだ、と伝えたいためでしょうか。いささかチグハグな気もします。
作中、唐突にニュートン・ナイトの子孫の話が挟まれます。この構成はいまいちでした。子孫の話自体が非常に短いのに唐突に入ってくるため、それは最後にでもまとめてやる方がむしろ綺麗な気がします。

オススメ度は4−。戦いが嫌で逃げ出したために戦わざるを得なくなった、そんな因果なお話。ヒロイックな話ではなくむしろ苦渋に満ちた展開ですが、熱くなれる作品でもあります。

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