Lazy Bear

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来る

田原夫妻は夫婦仲も良く娘にも恵まれ順風満帆の人生を送っていた。しかし、実際は夫婦間のすれ違いは凄まじく、やがて妻は夫を見限っていた。
ある日、夫の秀樹の後輩が謎の症状で入院し、そのまま為す術無く一年後死亡する。秀樹の家庭でも、妻の香奈が精神に不調を来たし、家の中ではお守りが切られるなどの怪現象が続発する。どうにもならないと判断した秀樹は、友人に霊能力者を紹介して貰い事態の収拾を図る。


主演は岡田准一、妻夫木聡。監督は中島哲也。
2015年に高評価を得たホラー小説の映画化だそうです。それを割とアクの強い作品を作る中島哲也監督でどうなのか、という思いで鑑賞しました。
タイトルにある、”来る”何か。アレは冒頭の説明通り、妖怪の類のようなとにかく理不尽に人を殺す存在です。それが何かしらの理由で人の生活の中へ入り込み侵食しては最後に殺すというもの。その演出について、ホラーにありがちな音やアップで驚かせるような演出がほぼ無いのは近年珍しいと思いました。このひたりひたりと何かが迫り来る感じは、勢いがあった頃の邦画ホラーを彷彿とさせます。
登場人物で、特に霊能力者の面々が妙にキャラが濃いのは何故だろうと疑問に思いました。柴田理恵のインチキ臭い霊能力者が最後まで本当に良いキャラをしています。真琴は初登場の印象からまるで異なる愛情深い献身的な霊能力者、その姉で最強霊能者ポジションの琴子は立ち居振る舞いが楚々としていながらやることが大胆だったり奇抜だったり。ここらへんの原作、特に琴子はどういう描写だったのかは気になるところでした。
恐怖を強調するのに使う明暗の演出は本当に効果的で良かったです。その反面、おそらくヤバイのが出ると周囲の温度が下がる演出のためのスモークは、少々炊きすぎて不自然に思いました。独特の色合いを出すにしても、もっと光り物を使うとかあったんじゃないかなあと思います。

オススメ度は4+。かなり王道の良作ホラーです。年末で多忙な時期だけれど、息抜きにこういうホラーを見るのも良いのではないでしょうか。ドッキリ系が無いのでかなり安心して見られます。

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