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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

かつての人気ドラマ俳優だったリックは、映画俳優へ転身するものの思うようにうまくはいかなかった。リックの親友であり付き人とスタントマンを兼任するクリフは、彼の苦悩に理解を示し献身的に支え続ける。
そんなリックの自宅の隣には、今話題の作家であるロマン・ポランスキー夫妻が引っ越して来た。


監督はクェンティン・タランティーノ。主演はレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット。
実在の人物も登場しているため、一昔前前のハリウッドを舞台にしたヒューマンドラマ的なものを想像していましたが、どちらかと言うとリックとクリフという架空の人物視点で、かつてハリウッドはこんな感じだったという雰囲気を体験させるような作品です。何だか煮え切らない言葉の表現だけど、タランティーノの趣味全開で観る側を徹底的にふるいにかけているため、本当にジャンル分けすら難しい怪作です。
昔のハリウッドネタも多く、とにかく予備知識が求められますが、最低限シャロン・テートさえ知っていれば何とかなります。逆に言えば、知らなければ後半は全く理解出来ない危険すらあります。
リックとクリフのそれぞれの悩みや葛藤、そういったものを対照的に見せつつ、主役級俳優それぞれの魅力を最大限に見せるカットが豊富で、そういう見方であれば本当に楽しいと思います。暴力描写は控え目だけど、クライマックスのカタルシスはやはり健在でした。ただ、やはり観る側をふるいにかけるが如き脚本と演出は、まず楽しめるかどうか以前に選別してしまうため、悪く言えば分かる奴だけ観れば良いという乱暴さがあります。非常に趣味的であるため、困惑しっぱなしになる人もいるでしょう。そこをレオ様ブラピ様の魅力で補えるかと言えば、まあまず無理に思います。

オススメ度は3−。好きな人は好き、そこへ極端に振り切れた映画のため、160分という短くもない冗長さを覚悟出来る人向けだと思います。そして最後もう一度、観る前に必ずシャロン・テートについて調べて行って下さい。

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