WW3(第三次世界大戦)。主要先進国の一斉核攻撃により、地表の90%以上が放射能によって汚染される。
結果、地球は生物の住めない死の星と化した。
かに見えた。
だが、各国はあらかじめ地下シェルターを建設していた。
まるで、こうなる事を予測していたかのように。
そこに逃げ込む事により助かった人類の数は、およそ全人口の20%弱。
このあまりに大きな被害の深刻さに、ようやく人類は自らの過ちに気づいたのである。
これを機に、主要人達は和平条約を締結、同時に人類復興のために行政機関一つに統合する。
国という概念が崩壊した瞬間である。
地下シェルターは徐々に開発され、遂には全てのシェルターが一つの巨大な地下都市となった。
失ったものはあまりに大きかったが、長年待望され続けていた、人類の意思の統合が達成される事となった。
いつしかこの巨大地下都市は、こう呼ばれるようになっていた。
U―TOPIA(理想郷)と。
しかし
それは些細な事から始まった。
混乱からようやく立ち直り、人々が安定した生活を営み始めた頃の事である。
かつて主要人だった人間達は、民衆の居住区よりも更に上層に自分達の居住区を構えたのである。
人類の繁栄のためにリードを取ってきた、かつて各国の主要人だった彼ら。
それが、具体的な結果を残した事により再びエリート意識に目覚めたのである。
『平等なる繁栄を』
その名の元に建設された巨大地下都市。
そんな彼らの思い上がりとしか思えない行動により、民衆達には不満の声が上がった。
しかし、そんな声を力で捻じ伏せ悪政を敷き続ける上層部。
民衆は日々反感を募らせる一方である。
かつてU―TOPIAと呼ばれた巨大地下都市。
それは今、皮肉を込めてこう呼ばれていた。
DEATH―TOPIA、と。
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