Lazy Bear

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落下の解剖学

作家のサンドラは、情緒不安定な夫と視覚障害を持つ息子と3人で山奥のロッジで暮らしていた。ある日、飼い犬との散歩から帰ってきた息子ダニエルは、父親が外で倒れている事に気づく。すぐさまサンドラは救急車を呼んだが彼は帰らぬ人となってしまった。
この不審死について警察の捜査が進むと、サンドラが殺害の容疑者となって起訴されてしまう。理由は前日の夫婦喧嘩、それを録音したテープの存在だった。そしてダニエルはこの裁判の証人として召喚されることとなる。


フランスのミステリー映画、という感じでしたが実際は少々異なります。まずこの事件ははっきりとした結末がありません。本作は人は人をどう見るか、どう見えるか、どう見せるか、その事に重点を置き、様々な角度からその見え方を描いたものです。そのためサンドラが実際のところ真犯人なのかどうかは明らかにはならないし、それについてダニエルが明確に何を思っているのかも明らかにはなりません。真実を明らかにすると謳っている法廷ですら、結局のところは印象だとか主観で決めてしまうのだから、ある意味司法だけでなく社会に対する善悪の区別をあえて嘲笑うことを目的にしているような印象を受けました。
こういった内容であるから、結局それが何なんだよって感じがしてなりません。千差万別の価値観だとか視点は結局のところ舞台装置でしかなく、僕はミステリーが見たいのであって色々な舞台装置を見たい訳ではないのだから。

オススメ度は3+。ミステリー映画と思って行くととんだ肩透かしを食うタイプの作品です。

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