Lazy Bear

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インセプション

コブは産業スパイを生業としていた。その手法は特殊な機械を用い、標的の夢の中へ入り込んでアイデアを盗み出すというものだった。
ある時コブはサイトーという男から産業スパイとしての仕事を依頼される。しかしその内容は、絶対に不可能とされている”インセプション”だった。

監督はクリストファー・ノーラン。主演はレオナルド・ディカプリオ。脇には渡辺謙。バッドマン・ビギンズ以来のノーラン作品です。
夢の世界がほぼ舞台なので現実では有り得ないような出来事が幾つも起き、ノーラン独特の映像がたっぷり堪能できます。
まあ正直な所、序盤はそればっかりで、意外と退屈させられました。なんかこう「どや?この映像凄いやろ?」みたいな露骨さがあってどうにも。
しかし、中盤以降。仕事の展開が本格化しいよいよ正念場を迎えると途端に緊張感が生まれて、ぐっと話に引き込まれました。終盤の展開は驚くほど熱い。そしてラストカットの意味深さ。この疾走感は実に心地良かったです。オリジナル脚本らしいけれど、このメリハリのついた内容は傑作とまではいかなくともかなりの良作だと思います。
主演のディカプリオも相変わらず演技に円熟味が加わって良かった。悪っぽいけどどこか暗い部分を抱えていてちょっと怒りっぽい役柄なんて、このノーランの世界には最適だと思います。渡辺謙演ずるサイトーは、バッドマン・ビギンズのようなチョイ役ではなく、かなり重要な役所になっていました。これがちょっと嬉しい所。メインではないけれど、要所要所で存在感を発揮する美味しい役だと思います。

クリストファー・ノーランは初のオリジナル脚本ですが、出来栄えはこれまでの作品同様の雰囲気を保ちつつ、引力のある展開を創り上げたのは素直に凄い所だと思います。ちょっと奇抜過ぎるかなあと思っていたけれど、十分大作らしい脚本に落とし込めているので、意外と好き嫌いが出ないのではないかという印象。

オススメ度は5−。ちょっと序盤が退屈かなと思います。ただ、奇抜なだけでないストーリー展開と終盤の盛り上がりは凄いので、これは強くオススメ出来る作品です。

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