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推理作家ポー 最期の5日間

フィールズ警視は、ある晩に奇妙な事件現場へ赴く。それは、母と娘が惨たらしく殺された現場だったが、奇妙な事に部屋は密室状態だったのである。しかし、ふとある事に気が付いたフィールズは密室の謎を解いてしまう。この事件には深く関わっている男がいる、そう考えたフィールズは、エドガー・アラン・ポーという一人の男を警察署へ同行させる。それは、彼が過去に執筆した小説の一つとこの事件が、あまりに酷似していたからだった。


主演はジョン・キューザック。
実在する推理作家エドガー・アラン・ポーの、死の直前の5日間について描かれたフィクションのミステリー映画です。ポーは実際に不審死を遂げており、その5日前までの足取りが非常に曖昧なものとされています。それを逆手に取って作られたフィクションのようです。
内容としては、ポーの熱狂的なファンが小説を真似た殺人事件を起こしてポーに挑戦する、といったものです。そのため、実際のポーの小説に出て来る殺害方法や関連した名前などが幾つも盛り込まれていました。それ以外にも、ポーについてはっきりしたエピソードや逸話等も使われています。ただし、それらの大半は所謂「お使いイベント」的な役割しか果たしておらず、ミステリー映画としては一番やっちゃいけない展開でした。回を重ねる毎に後付けさが強くなり、時系列とか無視しているとしか思えない犯人像には少々興ざめです。
本作でポーは猟奇作家的な扱いのためか、死体等のグロテスクなものが非常に多く出て来る作品でもありました。それが、ポーの小説の世界観と合っているのかどうかは、人によりけりのような気もします。犯人が強烈なサイコという事を強調しているだけ、という認識で観るのが良いと思われます。
基本的にお使いイベントばかりで、ラストも非常に呆気無く面白みに欠けるものでした。都合良く解釈してフィクションを作るのだから、もう少し自然でスッキリした展開もあるのでは、という印象です。とにかく、史実ネタを詰め込めるだけ詰め込んだ印象が否めません。ファンムービーというのなら、分からなくもないのだけれど。

オススメ度は3−。ミステリー映画としてはイマイチな出来です。ポーのファンなら喜ぶ内容かどうかは判別出来ないので、取り敢えず鑑賞するのならあまり期待はしない方が良いと思います。

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