Lazy Bear

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ジャックにとって世界は、納屋を改造した部屋の中だけだった。それはジャックが生まれて以来、部屋の外へ出たことが無かったためである。ジャックの母ジョイはこの部屋で既に七年も監禁されており、ジャックは誘拐犯との間に出来てしまった子供だった。
ジョイは成長するジャックの姿に、日に日に普通の生活をさせるべきだと強く切望するようになる。そこでジョイは、ジャックが死んだように見せかける事で誘拐犯に外へ連れ出させる事を思い立つ。


誘拐犯に七年も監禁された親子の脱出劇ですが、それはあくまで前半部分の展開です。後半は脱出後の話となりますが、これがすんなりとハッピーエンドとはならない非常に重いものでした。
ジャックは正常な環境で育った訳ではないため、物事の認識に齟齬があったりします。またジョイも七年にもわたって社会と断絶されたため、そのブランクにひどく苦しめられます。そしてジョイ自身の両親もまた、七年の間に人生を大きく狂わせられていました。そんな最悪の状況に、どう折り合いをつけて生きていくのか。それが後半のテーマだと思います。見たこともないものの連続に一喜一憂するジャックの純粋さは、本当に観ている側にとって救われる気持ちになります。最後にジャック自身がかつての自分の世界だった場所と折り合いをつけるシーンは本当に感動してしまいました。

オススメ度は5。正直、感動モノというよりもかなりどぎつい展開の多い作品です。単純な親子の感動モノを想像すると出鼻からくじかれそうな勢いなので注意しましょう。

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