アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
英米合同の軍事作戦、それはナイロビに潜伏する過激派の重要人物を捕縛するものだった。作戦を指揮するパウエル大佐は、ドローンにより上空から偵察させ目的の人物を捜索や確認、監視を行う。様々なドローンを駆使した作戦の中、目的の人物を発見する事に成功するものの、彼らは非常に危険な過激派の支配地域へと入ってしまった。そのため、現地での捕縛は事実上不可能となってしまう。しかし、彼らの動向を監視し続けると、再び自爆テロを実行する準備をしている事が分かった。パウエル大佐は捕縛からドローンによる爆撃へ作戦を変更するものの、着弾地点からの被害域には何も事情を知らずパンを売る少女の姿があった。
主演はヘレン・ミレン。ドローンによるテロとの戦いという、非常に現代的なテーマの戦争物です。
ドローンで危険人物を監視、場合によってはミサイルで殺害してテロを未然に防ごうというものなのですが、英米の様々な要人達がモニタリングする中で、パンを売る少女の存在が彼らを右往左往させる様は、滑稽であったり悲哀に満ちていたりもします。少女を巻き込むか否かで、それぞれの主張が異なるのは興味深かったです。一人のために大勢をテロの危険に晒すのか、一人を殺した事で過激派側に正当性を与えてしまうのか、様々な見方があり混沌とした様は如何にも現代戦という感じがします。この混沌とした状況から最後に迎える結末は、自分が予想していたものとは少々異なっていました。案外心に来る人もいるかも知れません。
ヘレン・ミレン演ずるパウエル大佐は強硬派ですが、知的で冷静に振る舞いながらも終始苛立っている演技はとても印象的でした。大ベテランだけあり、こういった演技も当然の如くこなしている感があります。作中としても映画としても指揮官という姿勢に見えました。
オススメ度は５。なかなか展開が読めず、シリアスだったりシニカルだったりと非常に面白い作品です。従来の戦争映画とはまた違った切り口であるため、もしかすると入り込めない人もいるかも知れません。
Posted: 2 月 25th, 2017 under 2017, 映画.
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