Lazy Bear

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あさがくるまえに

交通事故により脳死状態となったシモン。その両親は臓器提供について選択を迫られる。
二人の息子を持つクレールは、急性心臓疾患により階段すら満足に登れないほどに衰弱していた。心臓移植しか助かる手段が残されていないが、本人は他人の心臓を使ってまで生き延びるのは自然ではないと難色を示していた。


本作はフランスの映画です。あちらの臓器移植に関するシステムや法整備がどういう感じかは知識がありませんでしたが、よくあるそれとあまりイメージはかけ離れていないかなといった印象です。
臓器提供者とその遺族、臓器提供を受ける側、執刀医にコーディネーターと、臓器移植に関わる様々な立場の人々の心境を描いた群像劇。とは言っても、描く対象の視点が多過ぎるせいか話がテンポ良く進み、その結果今ひとつ苦悩が薄く感じられるという印象がありました。そのため淡々と臓器移植の顛末が進んでいるだけという感じが否めません。何が描きたいのかという部分がいささか希薄なのかも知れません。
印象的だったのはどの俳優も表情の演技が良かったこと。下手なセリフよりもずっと感情を伝わってくるほどです。特に凄いのが一番最後のシーンの彼女かも知れません。あれだけ色々複雑な感情が入り混じっていながら一点に収束していくのは見事としか言いようがありませんでした。

オススメ度は4−。いささか見所に欠けるかなあとは思いますが、それぞれの感情を察しながら見るという楽しみ方はあると思います。

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