Lazy Bear

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ワールド・オブ・ライズ

中東でテロ組織の指導者を追跡する任務に従ずるロジャー。しかし直属の上司であるエドやヨルダン諜報部のトップであるヨニとの板挟みで危険な任務に身を投ずる。


主演はレオナルド・ディカプリオ、上司のエドはラッセル・クロウ、監督はリドリー・スコットと、最近は社会派な雰囲気の面々でのクライムサスペンスアクションといった映画。ただし、内容は政治的なものにしたいらしい中東ものです。

ディカプリオはここ近年こういった泥臭い役を良く演じているんですが、いかんせんお坊ちゃん的な様相が未だ抜けていない感じがしてどうにもこうにも変わり映えを感じません。どうも、演技の幅を広めようと無理な役を引き受けているんじゃないかという気がします。逆にラッセル・クロウは意外なほど好演でした。一体誰だかすぐには分からないほどメタボな上司を演じていました。ラッセル・クロウと聞いたら警官殴ったりするリアルグラディエーターなイメージが強いので、本作のように裏工作が大好きな陰湿で飄々とした嫌な上司を演じきったのは、ただただ驚くばかり。こちらは凄い演技の幅を感じました。

ストーリーとしては、年に一本あるようなテロ撲滅+アメリカ万歳の展開で括って問題ないようなレベルです。リドリー・スコットはもっとマクロなクライムサスペンスをすると思っていたんだけれど、なんだか期待外れです。
要所要所暗転して切っているので、話は複雑だけれど理解はしやすい構成でした。このまま短編集にしたり連続ドラマにしてもいいかもしれないです。ただ、今ひとつ盛り上がりに欠けるところがあります。社会派にしては見え透いているし、アクションも半端だし、クライム部分も波が無くて緊張感に欠けるし。なんかこう、引き込むだけの魅力が決定的に欠ける節があります。「お前らの日常はテロと隣り合わせなんだぞ!」と啓蒙めいた印象はあるけど、そんなのよほどの馬鹿じゃない限りは分かりきったレベルだし、むしろ国々のパワーバランスとか組織の方針とかそういう所に着目してくれた方が楽しめそうです。

オススメ度は3+。まあありがちな中東ネタのアクションものです。この手の映画を見た事がない人は見ても良いですが、そうでもなければ無理に見る価値は無いと思います。メッセージ性も娯楽性も乏しい、なんだか中途半端な映画です。

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