ミッション:8ミニッツ
シカゴ行きの列車が爆弾テロの標的となり、多数の死者を出す。この事件を解決すべく、量子力学に基づいた最新の技術で作られたシステムによる調査が行われる。これは事件直前の８分間を再現するという、非常に画期的なものだった。システムに選ばれたのはスティーヴンス大尉、彼は被害者の一人の意識へ入り込み、幾度と無く死をループしながら犯人の捜査を行う。
主演はジェイク・ギレンホール。
プログラムされた仮想世界の中で犯人を探しつつも、制限時間を過ぎると爆発で死んでしまうという状況下で、幾度も死を繰り返す主人公。最初は唐突に始まるので一体どういう状況なのか、劇中も観客も理解が遅れる出だしになっていて、序盤から謎の濃い作品でした。
若くして大尉ならばかなりのエリートなのにどうして彼なのか、今現実の自分はどこにいるのか、ミッション以外に様々な疑問があるものの、容赦なく従事させられるのは不気味で恐怖感すら覚えます。この真実をなかなか明かさない状況下が非常に面白く、同時に納得のいく説明のないまま繰り返し死ななければならない主人公に悲哀を覚えます。ある種のSFスリラーと言っても良いのかもしれません。それだけに、若干の救いのある結末と、世界観の意外な広さにハッとさせられるオチには感心させられました。
全てが仮想の出来事で、しかも過去であるため、どれだけ感情移入しようが結果は変えられない事実が残酷に思います。そのあたりのさじ加減が非常にうまい脚本だと思います。こういうテクノロジーありきの面白いSFは久しぶりではないでしょうか。
オススメ度は４＋。割と残酷な話ではあるけれど、SFの好きな人にはたまらない映画だと思います。後半ほど話はきつく感じる人はいるかもしれません。
Posted: 11 月 3rd, 2011 under 2011, 映画.
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