Lazy Bear

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それでもボクはやってない

その日、金子徹平は会社の面接を受けるべく、急行電車に飛び乗った。しかし目的の駅へ辿りつくと、いきなり女子学生に痴漢として捕まってしまう。
自分は何もしていないと訴える徹平だったが、周囲は彼の言葉にはまるで耳を傾けようとはせず、頑なに否認する徹平は拘留後、起訴されてしまう。


ShallWeダンス?等で有名な周防正行氏による最新作。

テーマは日本の裁判制度の現状と言うだけあり、まったく知らなかった制度の仕組みについてよく説明されていました。
物語は主人公が痴漢で捕まり、拘留、起訴、判決という流れで進んでいく訳ですが、見れば見るほど非常に不可解な内容です。警察や検察、裁判官に至るまで、どれもがまるでまともとは思えない訳です。コメディの得意な監督だからデフォルメしているんじゃないかと疑いたくなるぐらいです。

ただ。
この映画は構想にすらかなりの歳月をかけていて、内容は実際の職務についている人間が感嘆するほど忠実に再現しているとのこと。
もしもこれが本当に日本の現状ならば、正義という言葉が非常に胡散臭く見えてきます。

「こんな馬鹿な話があるか、ちゃんと無実は証明されるだろ」と思う反面、「この主人公の境遇も、明日は我が身か……」とも思ってしまう、とにかく考えさせられる作品です。

オススメ度は4−。特に男性には楽しんで観るような愉快な映画ではありません。ただ、日本の裁判制度についてあれこれ考えるきっかけにはなるかもしれません。出演者の演技も素晴らしいのですが、それよりも映画の展開そのものに注目して頂きたい。

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