Lazy Bear

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クロユリ団地

ある日、家族とクロユリ団地と呼ばれる古い団地へ越して来た明日香は、隣の部屋へ引越しの挨拶に向かうものの、住人と顔を合わせる事は出来なかった。その後、学校でクロユリ団地にまつわる妙な噂を聞き、明日香はもう一度隣の部屋を訪ねてみる。ドアにカギがかかっていない事を不審に思い中を確かめてみると、そこには変わり果てた老人の姿があった。心臓発作による自然死だったのだが、その後明日香の身には不可解な出来事が起こる。


監督は中田秀夫。主演は前田敦子、成宮寛貴。
奇妙な隣人と不可解な出来事が切っ掛けで始まるホラー映画です。導入は穏やかながら色々と伏線を張っていて、意外と凝った作りではありました。ただ、正直なところホラー要素を盛り過ぎのように思います。主人公についてと、クロユリ団地について、どちらか片方だけでも十分話は成立するし、それらを組み合わせた相乗効果も感じられません。むしろ、ごちゃごちゃしてうるさい構成のホラーになったと思います。
それでも話はそれなりにまとまっていて、中盤以降にちょっとしたどんでん返しもあり、それからクライマックスに向かうのだけれど。まず最初の祈祷が、あまりに唐突なのと驚きのクオリティの低さで吹き出しそうになりました。話の展開もあまりに突拍子も無く、だから何だよというツッコミの連続。で、投げっぱなしのラストを迎えるという、こう脱力感しか湧かない終わり方でした。
そもそも、霊をあまりに万能にし過ぎです。悪霊や怨霊は、ある一点の力だけに優れてて他は無力であるとシンプルであるべきなのに、この作品の悪霊は何でも出来過ぎて非常に醒めます。悪い意味でのハリウッドテイストを押し出した後半は、正直なところ正視に耐えないものがあります。

オススメ度は3−。前半はそこそこ面白いけれど、重要な後半の出来が芳しくありません。ホラー映画として観るなら、あまり期待はしない方が良いと思います。

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