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ロボコップ

オムニ社のセキュリティロボットは、これまで米軍が駐留していた各国のセキュリティ事情を大きく改善していた。しかし肝心の本国アメリカでは、ロボットに治安を管理させる事を禁ずる法律が存在するため、思うように市場を伸ばせないでいた。
熱血刑事であるマーフィーは、相棒と身勝手な捜査を進めた末に、自宅前で車に仕掛けられた爆弾で瀕死の重傷を負う。再起不能となるはずだったマーフィーだが、機械と人との融合が世論を動かすと考えていたオムニ社に目をつけられ、人間と機械が融合したセキュリティロボとして復活する。


かつてのヒット作であるロボコップのリバイバル作品です。丁度これを子供の頃に見ていて、懐かしい思いになりました。
本作は現代風にアレンジがなされ、ロボコップも黒を基調としたスタイリッシュなデザインになっています。また、AR視点からのアクションもふんだんに盛り込まれ、銃撃シーンやカーアクションも迫力満点の出来となっています。
元々ロボコップは、法的には死体が機械で動いているような内容だったと思うけれど、本作では一応生きている人間のようです。ただ、オムニ社と警察組織、政治家などによる駆け引きが非常に多く、その中心となっているマーフィーの存在は極めて道具に近い扱われ方をしていました。それがむしろロボコップという分かり易いヒーロー像に深みを与え、何が最も適しているのかという問題に幾つもの波紋を投げかけます。
当時としては斬新だったSF世界観も、本作は壊し過ぎないくらいにアレンジがされています。保守的な考え方と革新的な考え方、それぞれの利害を対照的に現しているため、一概にどちらと言い切れない演出が非常に良いです。それだけに、どっちつかずなマーフィーの存在もまた、軽視されているようで非常に大きいものになります。
個人的には、マーフィーの内面の掘り下げが今ひとつ足りないように思いました。政治の道具にされ、企業の利益誘導の手段にされ、それでも自分の事しか考えないというのは些か不自然に思います。それと、ラストが思ったほど盛り上がらないのも残念でした。あの人物には、むしろもっと本性曝け出した畜生になって欲しかったです。
映画の尺に合わせて詰め込んでいるため、非常に描写が簡素な部分もあります。まとまり方も構成も演出も非常に良く、素晴らしいリバイバルの仕方だったので、もっとあれこれ掘り下げて欲しかったです。むしろ、ドラマとして1シーズンやった方が完成度も上がったのではないでしょうか。

オススメ度は5−。元々がそうであったように、かなりエグいSF作品でありながら、非常に面白かったです。オリジナルを知らない人にも是非オススメしたいSFアクションです。

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