Lazy Bear

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ファーナス/訣別の朝

寂れた町で暮らすラッセルは、恋人のリナと暮らしながら製鉄所へ勤め生計を立てていた。彼の弟ロドニーは軍人で、毎日仕事もせず賭け事などをしながら自堕落な生活を送っていた。しかし、彼らは非常に仲の良い兄弟でもあった。
ある日、ロドニーは自分の生活を一新させるべく、人生をかけた大勝負へと出る。詳細を知らないラッセルだったが、ロドニーが自堕落な生活から抜け出そうとしている事に喜びを覚える。しかし、彼の元へ届いた知らせは意外なものだった。


主演はクリスチャン・ベール、共演でケイシー・アフレック。
寂れたアメリカの片田舎の町を舞台にした作品です。この作品は非常に閉塞感が漂っていて、何となくこのまま何も変わる事無く人生が過ぎるのだろうと、そんな気持ちにさせられる空気があります。主人公であるラッセルは非常にお人好しで、コツコツと地道に暮らす事を生き甲斐としているような人物です。その反面、弟のロドニーは現状を変えたいと強く望むタイプで、兄とは正反対の性格です。それでも仲の良い二人からは家族愛や兄弟愛のようなものを感じる描写が随所にあって、二人の絆の強さを感じさせられました。
ストーリーは中盤辺りから唐突に流れ出します。この事態にラッセルは非常に大胆な行動を取るようになっていきます。理由も明白で、ここはやはり応援すべきだという心情になる一方で、もっと自分の事を考えろとヌルい意見もぶつけたくなります。
そしていよいよのクライマックスは、非常に淡々としつつもラッセルの複雑な心境を十分に表現していたと思います。元々クリスチャン・ベールは役作りへ異様なアプローチをする俳優であるだけに、この辺りは観ていて本当に複雑な心境にさせられる展開でした。
話自体はそれほど捻りもなく、ある程度予測のつく展開だと思います。ただ、そこへ辿り着くまでの心理描写などが本当に丁寧で、話にのめり込んだ途端最後まで集中する事が出来ると思います。

オススメ度は4。かなりヘビーな展開の映画ですが、俳優陣の名演が本当に光っているためかなりのめり込めます。ただ、気持ちは結構重苦しいものとなるでしょう。

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