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ソロモンの偽証 前篇・事件

1990年のクリスマスの朝。藤野は同級生の野田とウサギの世話のため、朝早くに登校する。しかしその校内で、同級生の柏木卓也が死亡しているのを発見する。これを受けて学校側と警察は、事件を徹底的に隠蔽する方針を取る。そんな中、藤野の自宅に匿名の封書が届く。それは、死亡した柏木は自殺ではなく他殺であるという告発状だった。


原作は宮部みゆき。
同級生の死の真相を巡り、学級内での裁判を行うというサスペンス映画です。本作は前後編に分かれた構成となっており、今回は前編の事件編となります。
同級生の死、学校と警察の不可解な対応に振り回される生徒達の中、学級委員を務めた藤野がそれらに反発し、真相を生徒達で明らかにするべく学級裁判を開廷しようといったお話です。今回は主に事件の導入部分、事件がメインのパートとなっています。各登場人物の立ち位置や人間関係などが描かれているのですが、これが結構複雑で絶妙に入り組んでいました。そのため、単純にコイツが怪しいコイツが正しいといった二元論で片付けられる状況ではなく、状況は結構複雑です。
複雑さが故に、それらを全て整理し真実を明らかにしようとする展開は非常に面白いものです。特に終盤、主人公が目的意識を持って地に足の着いた瞬間からの展開は非常に胸が踊るものがありました。尺の長さを感じさせない濃さと、裁判編への期待感の大きさといい、本作だけでは真相は明らかになっていないにしろかなりの満足感があります。また、個人的に人間の汚さをストレートに表現している演出部分についてもかなり満足が出来ました。

オススメ度は5。前後編で間が空くのは頂けないにしても、かなりのめり込める濃い作品でした。これは次の裁判編への期待が否応無く高まります。

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