Lazy Bear

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裁かれるは善人のみ

ロシア北部の片田舎で自動車修理を営むコーリャは、自身の所有する土地を市の横暴なやり方で奪われようとしていた。その危機に、かつてコーリャと同じ部隊に所属していた後輩で今はモスクワで弁護士をしているディーマが駆けつけ、何とか阻止を試みる。だが市長の強権は常軌を逸し、そしてコーリャとディーマの間にも問題が起こってしまう。


ロシアの田舎を舞台にした、権力と戦う普通の市民のお話。とは言っても、ストーリーはほぼこの邦題の通りです。物語の展開は非常に妥当かつ現実的な落とし所ばかりで、それはまさに原題の通り巨大な怪物に飲み込まれるがごとくです。全体的に鬱屈していて、徐々に閉塞感すら表面化していきます。そんな中、何の後ろ盾も無い小市民達は感情豊かに暮らしはしつつも、そのほとんどがウォッカを飲んでの事で、それはまるで嫌なことを酒で忘れて感情を偽っているかのように思えました。そんな悲壮感漂う中で、正教による正しい生き方の教えを説かれても、それは壮大な皮肉にしか聞こえません。これはきっと監督も狙っての演出なのでしょう。

オススメ度は4。ドラマチックな展開もない、本当にただただ悲壮溢れる良くも悪くも現実的なヒューマン・ドラマ。鬱屈した展開が好みでない方にはまず合わない作品でしょう。

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