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帰ってきたヒトラー

1945年、総統地下壕にこもっていたはずのヒトラーは、どういう訳か突如2014年にタイムスリップしてしまう。
自分の身に起こった事をおぼろげに理解できたヒトラーは、現代ドイツの社会問題を洗い出し、生まれ持った演説力を利用しコメディアンとしてメディアに出演する。あまりに過激なパフォーマンスと見られていたが、彼の見事な演説は少しずつ賛同者を増やし、そしてTVヒトラーとして一大ブームを巻き起こす。その一方で、彼の存在を非常に危険視する者も現れ始めた。


原作はドイツでベストセラーとなった小説です。
予告編からしてブラックなネタを盛り込んだコメディ映画かと思っていましたが、その内容こそ確かに過激なネタが多かったのですが、コミカルな一方で危うさを併せ持った作品でもありました。
もしもヒトラーが現代に蘇ったら、という荒唐無稽なネタでどこまでやるのかと思いきや、まず実名で様々な有名人や政治家を皮肉ります。そして正に欧州で最も深刻な問題となっている移民問題を、これでもかと盛り込んでくるのには本当に驚きました。また、このヒトラーと一般市民がやり取りを行うロードムービーのようなシーンが多数ありますが、これは実際にアドリブでやっているらしく、通行人などで顔が修正されている人が居たりします。その上で移民に対するストレートな不満をぶつける人が多く、それを汲むヒトラーという構図は笑っていいのか駄目なのか悩みどころでした。
本作はあくまでブラックコメディですが、今までにない切り口でヒトラーの危険性を訴えている作品にも思えました。思考停止でとにかくヒトラーが悪いと言うのではなく、どうしてヒトラーという独裁者が生まれたのか、その根本的な原因を考えさせられる作品です。

オススメ度は5+。これは相当にアクの強いコメディ映画ですが、いろいろと考えさせられる部分も多いと思います。

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