Lazy Bear

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君のためなら千回でも

アフガニスタンのカブールで、裕福な家庭に生まれたアミールには、ハッサンという使用人の親友がいた。
二人は兄弟同然に育ったのだが、ある日とある事件を切っ掛けに決定的に決別してしまう。そんな最中、ソ連軍のアフガン侵攻が開始され、アミールは父親と共にパキスタン経由でアメリカへ亡命する事になった。

原作はアメリカで無名ながら大ベストセラーとなったカーレド・ホッセイニの小説。原題は「THE KITE RUNNER」です。

序盤はカブールでの少年時代の回想が中心です。アミールとハッサンはそれぞれ子役が演じるんですが、この二人の演技が凄かった。演技力ある子役では、やはり僕は「ニュー・シネマ・パラダイス」のトト役のサルヴァトーレ・カシオを連想するんですが、それに匹敵するんじゃないかと思います。特にアミールの、決別に至るまでの微妙な心理描写は凄かった。

それと、原題にもあるようにこの映画には凧が出てきます。凧同士ぶつけて糸を切った方が勝ちというルールのようです。で、ここでもまた一つ驚いた。凧の描写が凄いんです。ケンカ凧の空中戦、こんなものがこれほどの迫力で見られるとは思っても見なかった。このカメラワークは本当に秀逸。下手をすると地味な風景になってしまうのに、これだけ荒々しい凧を表現したのは本当に凄い。

中盤以降、大人になったアミールが再びタリバンに支配されたカブールにやってくるのだけど、そこから先がちょっと気に掛かる事が。
原作は読んでいないのだけど、大人になった方が心理描写が薄いというか大人ほど何を考えてるのか分からないような気がしました。特にハッサン、彼は本当に何を考えているのか最後までわからない部分の方が多かった。これは単に脚本がそうだからそう致しちゃったのか、「大人ほど気持ちは分からない」という明確な意図を持ってやっているのか分からないけど。個人的にはもっとハッサンの心理を描いて欲しかった。

オススメ度は5。この映画はもう本当に凄い。絶対に見る価値はあるし、後々繰り返してみるだけの価値もある。
中東を扱ったネタは本当に多くて何だかなあと去年は思っていたけれど、この切り口は新鮮。安っぽい表現かもしれないけど、この映画は感動できる。

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