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クーリエ:最高機密の運び屋

セールスマンのグレヴィルはCIAとMI6の依頼により、モスクワの内通者である将校オレグ・ペンコフスキーから機密文書を受け取って運ぶ事になる。そもそもスパイ容疑で逮捕される危険性もあり気乗りはしていないグレヴィルではあったが、キューバ危機に対する備えがそもそも不足しており愛する家族の危機にも繋がること、そしてペンコフスキーの人柄に惹かれたこともあって、自らの意思で運び屋を続ける事になる。しかし危険と隣り合わせの任務はグレヴィルに強い重圧としてのしかかり、徐々に家族との間にも不和を生じさせてしまう。


主演はベネディクト・カンバーバッチ。キューバ危機回避の裏側で実際に起こった出来事を題材とした作品です。
主人公であるグレヴィルは機密文書を運ぶ役割を担いながらも、あくまで素人でスパイという訳ではありません。その方がかえって怪しまれないという判断からの人選だったそうです。娯楽作品のような派手なアクションもなく、そもそも専門家ではないのでスパイらしい凝った事もできません。あくまでセールスマンとして振る舞う裏側で情報を運び続けるだけ。ただ、普通のセールスマンとして振る舞っている周りには常にソ連軍の目が光っており、いつ事が露見するかという恐怖感があります。そのため何気ない会話も裏があるのではと思わず勘ぐってしまいます。そして危険と隣り合わせのストレスから徐々に神経質になっていく様が実に鬼気迫る演技でした。ソ連にバレる前に自滅するんじゃないのか、と思わず不安になってしまうほど。そして史実通りの終盤、更に憔悴し切った姿の役作りが凄かったです。ペンコフスキーについては意外とさらっと流したのは驚き。逆にあんまりエンターテイメント的な演出にしてもダメか。

オススメ度は4+。緊張感のあるシビアな展開のスパイ映画のため、エンターテイメント的な爽快さは無い内容です。史実ベースのため、そういった作品が好きな方におすすめです。

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