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2008年のベスト5

今年もこの季節がやってきました。独断と偏見で観賞した映画の個人ランキング。
見た当時の印象と現在の印象も交えて作成してます。
実際1位と5位の間には大した差は無いので、まあそういうものだという感じでご覧下さい。

第五位:ノーカントリー
ハビエル・バルデムの演じる殺人鬼の威圧感といったら無い。「海を飛ぶ夢」の時から比べて、こんな奇怪な演技が出来るとは思いもしなかった。
今の華やかなアメリカとはまた違うアメリカの姿を感じられる、どこか哀愁めいた作品。単なるクライムサスペンスという訳でもない、奥深さがあります。

第四位:スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
キレまくってるのに、どこかコミカルな作品。全体的に狂気に満ちてる。
ジョニー・デップはクセのある役柄を演じさせたら天下一品です。意外に美声なのもポイント高。ティム・バートンとは相性が良いのかもしれない。

第三位:明日への遺言
邦画にしては割とまともな戦争映画。スタンスやテーマもはっきりしていて良いです。
藤田まことは、やはりベテランだけあって実に落ち着いた良い演技をします。確かに人望のありそうな将校でした。つまらんエンターテイメントではなく、これぐらいの人情モノを今後ぽつりぽつりと出してくれたら嬉しいところ。

第二位:君のためなら千回でも
中東モノは数あるけど、こういうアプローチの映画は珍しいです。
お涙頂戴的な脚本には拒否感が出るのだけど、これは素直に感動できる映画でした。劇中のケンカ凧の空中戦シーンも地味に凝ったカメラワークで迫力があり、意外と細部まで作り込んでいるようです。同じスタッフの映画の次回作が出れば是非とも見たい。

第一位:ダークナイト
やっぱり今年はこれが群を抜いてます。今頃DVDやブルーレイで見て、やっぱり映画館で見れば良かったと後悔している方もいるのでは? 日本では宣伝が完全にアレであまり伸びなかったけど、エンタメ映画としての完成度は抜群です。特に凄いのがジョーカー役のヒース・レジャー。しかし、既に故人である事が非常に非常に悔やまれます。
クリストファー・ノーラン版はあと何作出るのだろうか? 正直なところ、これを超えるものはもう作れないんじゃないかと思ってます。最盛期に死んだ人間が英雄視されちゃうとどんどん美化されて手がつけられなくなるので。


「ウォーリー」の表現力には驚いた。脚本も子供向けなのに意外と大人が楽しめる作りも素晴らしい。こういうのは侮られがちだけど、この完成度はそうそう出せるものじゃないです。

「バンク・ジョブ」「アメリカン・ギャングスター」のクライムものも安心して見られる質です。こういうのは引き込む力が無いと、どうしても白けてしまうので。やはり、どちらも実在の人物事件をモデルにしているから面白く感じるのだろうか?

「ブラインドネス」「ミスト」これは見るのがキツかった二本。あんなに人間の醜い姿を生々しく描かれると、感情移入出来ないのに気持ちが苦しくなる。人にはなかなか勧められないし欝になるけど、指折りの逸品。

「ぼくたちと駐在さんの七百日戦争」邦画でアタリの出易いジャンル。要はコメディ。静と動を使い分ける笑いのセンスは凄く好きです。起承転結をきっちり作って最後は締める、いささか機械的ではあるけどそつなく仕上げた点は評価が高いです。

「バンテージ・ポイント」はなかなか思い切った作品です。8人の視点に分けるなど、そんな複雑にしてちゃんと繋げて落とせるのかと疑問だったけど、ちゃんと落としどころに導いているのが素晴らしい。それぞれの役割もあり時系列の混乱も思ったほど無く、意外に癖になる珍味的な映画。

「ジェシー・ジェームズの暗殺」では久しぶりにカッコいいブラッド・ピットが見れた。ケイシー・アフレックのキモさと対照的で尚更映えます。この映画はブラッド・ピットがプロデュースしているそうだけど、意外に硬派で渋い内容なのには驚きました。このレベルの作品なら、今後も続けて欲しいです。

「P2」は犯人が今一つキャラが弱いのと、明らかに公開時期を間違っているのが惜しい。宣伝企画は反省するべきだ。「クローバーフィールド/HAKAISHA」も右に同じ。アメリカでの興行成績なんかほとんど宣伝で勝ち取ったようなもの。「団塊ボーイズ」にいたっては、邦題が正気を疑うレベル。

「パラノイドパーク」のゲイブ・ネヴァンスには将来性を感じた。次回作を見る機会があれば是非とも観に行きたい。

「ハンコック」はもうちょっと料理の仕方に気を配れば良作になったはず。社会に順応しようと恐る恐る接する辺りは非常に良かった。

「チーム・バチスタの栄光」は割と面白い方なのに、わざわざ白ける要素を入れているのが勿体無い。ホクロだのうどんでソバだの、そういう媚は不要。

洋画はジェイソン・ステイサムとシャイア・ラブーフが大活躍。いよいよ役者として脂の乗って来る頃なんでしょうか。ステイサムはキャラが固定されている印象、ラブーフは若干華に欠ける所があるけれど、なんとか演技で跳ね返して欲しいところです。

今年は見たいと思う映画が少なかったように思います。特に邦画はサッパリ。唯一心残りなのは「おくりびと」を見逃してしまったこと。他を切ってでも見ておけば良かった。
良作映画は年始に集中しているように思いました。特に1月から3月が半端無い。だから夏の終わりくらいから息切れしていたかもしれないです。そもそも邦画は年々酷くなっていくから、いい加減方針転換しないと、本当に滅びると思うのだけど。

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