Lazy Bear

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チェンジリング

女手一つで息子ウォルターを育てるクリスティンは、ロサンゼルス郊外の一軒家で暮らしていた。
ある日、急な仕事の要請でウォルターを一人自宅へ残し仕事へ出かける。だが帰宅するとそこにウォルターの姿は無かった。警察に連絡するものの、警察は子供の行方不明は24時間経過しなければ対応しない方針とあっさり断られてしまう。
翌朝、やはりウォルターは戻って来ず、警察の捜索が開始された。数ヵ月後、クリスティンの元へウォルター発見の知らせが舞い込む。すぐさま向かったクリスティンだったが、そこに居たのはウォルターとは全くの別人、しかしその子は自分をママと呼んだ。

監督はクリント・イーストウッド、主演はアンジェリーナ・ジョリー。

これは1920年代に実際に起こった事件が元になっています。当時の腐敗したロス警察の有様がいちいち憎たらしいほど描かれていました。

実際のところ、とても暗い話なのですが久しぶりに時間の経過を忘れるほど見入ってしまいました。脚本と演出と、それに何より主演のアンジェリーナ・ジョリーに釘付けになりました。僕はアンジェリーナ・ジョリーはもっと雑な女優だと思っていて、警察に対して復讐したいのではなくただひたすら子供を取り戻す事に尽力する母親、なんて役は出来るはずはないと踏んでいました。しかし、意外にも見事に演じきっていて、ずっとスクリーンに釘付けになりました。
演技だけで言えば、意外と子役の面々も凄い良い演技だと思います。刑事に秘密を告白するシーンは素晴らしいの一言。
また、重苦しい脚本もさることながら、劇中に出てくる人物のセリフ回しが面白いと思いました。終盤の法廷で主人公にぶつけた被告のセリフなど、その後の展開も含めて特に印象的でした。そして、主人公を取り巻く勢力。警察と、クリスティンの支持層と単純に分けられるんですが、どちらも話が進むに従って面白いほど共通点が出て来たのには思わず溜息。多分イーストウッド監督が意図的にしたのでしょう。そのためクリスティンのあくまで自分は息子の無事だけが目的というスタンスが浮き彫りになっています。

イーストウッドが俳優業を辞めて完全に映画監督としてやっていくそうですが、今回の作品もまた素晴らしい出来だと思いました。悲壮感のあるラストというのがこれまでの流れなんだけれど、本作は主人公のセリフもさることながら、さほど強くは感じさせないものでした。そういう意味では、とても気持ちの良い締めだったと思います。

オススメ度は5。+つけても良いかも。とにかく傑作だと個人的には思います。時間を忘れて思わず見入ってしまうほどの映画なので、絶対に劇場で観た方が良いでしょう。

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