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ジェネラル・ルージュの凱旋

前作バチスタ事件から一年後。
田口は事件をきっかけに院内に設立された倫理委員会の委員長を勤めさせられていた。外来心療の仕事の上、委員長としての仕事も増やされたため、日々多忙を極めていた。
そんな中、田口の下へ一通の差出人不明の手紙が届く。それは救命救急センターのセンター長を勤める速水が、医療機器メーカーと癒着しているという告発だった。
真偽はともかく、院長はこれが事実ならば看過出来るはずは無いと田口に調査を指示する。その頃、かつてバチスタ事件で共に捜査をした厚生労働省の白鳥がひき逃げに遭い搬送されて来る。

前作「チーム・バチスタの栄光」に引き続き、海堂尊原作の小説の映画化です。キャストも前作と全く同じでした。バチスタは特殊な手術が題材でしたが、今回はどちらかというと病院経営と救命救急の関係、つまりお金の話に重きが置かれています。

「チーム・バチスタの栄光」は、脚本そこそこ演技演出はボチボチで、邦画としては見られなくも無いレベルっていうのが個人的な印象でした。
本作でも、序盤から割とどうでもいい笑いを取りにいく演出があり、小説にあるにしろ無いにしろまた無駄な演出挟んでるなあと思いながら見ていました。ところが事件の真相が明らかになってきた後半から突然と話が盛り上がり始めます。それは取ってつけたような内容だし、演出も正直ベタ過ぎです。ただ、王道だけにかなりグッとくるものがあるのもまた事実。前半はただのお飾りで、この映画の真価は後半にこそあると思います。個人的には、速水医師の車とジェネラル・ルージュのお宝が明らかになったシーンは特にグッと込み上げるものがありました。

序盤は本当にグダグダでたいして面白くもないのだけど、最後の爽快感は実に素晴らしいです。また、救命センターの人達のセリフは結構生々しい気がしました。特に山本太郎が演じている佐藤医師のセリフはもしかして現場の医師の代弁なんじゃないかとも邪推してます。何せ、原作が現役医師でもある訳なので。
ラストのシーンで佐藤医師が白鳥に向かって吐いたセリフ、流れで見てると思わず笑っちゃうんですが、これってもしかすると映画に見ている側へ吐いているような気もしました。

邦画ってのは余計な笑いを挟まなきゃいいのにとか常々思っていたけれど、トータルで見ると、この作品に限ってはそれが無ければ人によって重過ぎて見てられないような内容に感じられるかもしれません。コーヒーに入れる砂糖のようなものでしょう。そういう意味では、今作はバランスが良く出来ていると思います。

オススメ度は4+。これは予想外に後半から面白くなる映画です。序盤のグダグダは気軽に流して、後半からの盛り上がりで興奮すると良い爽快感が得られるでしょう。

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