首
荒木村重の起こした謀反は、荒木家の滅亡で終わる。しかし肝心の荒木村重の行方が知れず、織田信長は苛立っていた。信長は家中の重臣らを集めると荒木村重の捜索を命ずる。
家臣達は皆、信長の常軌を逸した振る舞いや勘気を被る事を恐れてはいたが、手柄を立てた者は織田の家督を得られるとあって、表は服従していた。
監督脚本は北野武。戦国時代と言えばこれという有名な出来事の「本能寺の変」をテーマにした時代劇です。エンタメ寄りの作品ではあるけれど、監督が北野武ということもあって非常に血生臭くバイオレンスな空気が終始漂っています。
話の中心である織田信長は、狂気というよりかは情緒不安定という印象でした。昔の信長の印象を誇張した感じです。登場人物も基本的にどこかおかしくなっているけれど、元からそうであるような者もいれば光秀のようにストレスでおかしくなってる者もいます。そこに時折ブラックなジョークや演出を入れてくる独特の空気は、いかにも北野映画という感じでした。
秀吉秀長官兵衛の掛け合いは特に面白かったです。野心ばりばりに持っていながら表面には出さず道化を演じていて、時折血なまぐさいことをしれっとやって来るのが本当にそれっぽい感じがしました。
タイトルの首の通り、作中に出て来る人物は皆それぞれ首に対して思いや価値観を持っているようでした。出世のためだったり、武士の面目だったり、そもそも首は首以上の価値を持ってなかったり。シンプルなタイトルだけれど、非常にしっくり来る内容だと思います。
オススメ度は５。時代劇好きや北野映画好きは納得の一本だと思います。
Posted: 11 月 23rd, 2023 under 2023, 映画.
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