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ワールド・トレード・センター

2001年9月11日、NYのワールドトレードセンターにハイジャックされた旅客機が突っ込むという、前代未聞のテロ事件が発生した。
湾岸警察署のマクローリン巡査部長は、救出部隊を急遽編成し現場へと向かう。だがそこで見たものは、想像を絶する悲惨な現場だった。

救出班を編成したマクローリンは救出作業に必要な機材を集めるべく、ビルの地下を奔走していた。しかしマクローリン達は、突然崩壊したビルの瓦礫に襲われそのまま地下深くへと生き埋めになってしまう。


ニコラス・ケイジが主演するこの映画は、おそらく知らぬ人はいないであろう、9.11のテロ事件を扱った作品です。
この作品に登場するジョン・マクローリンとウィル・ヒメノは実在の人物で、実際にこの事件に巻き込まれ生還した18番目と19番目の方です。脚本はこの二人の証言を元にして作られているため、限りなくあの現場に居た人間が遭遇したであろう状況を忠実に再現しているそうです。

当初はよくあるアメリカ正義を前面に押し出したプロパガンダ系と思ってましたが、意外にも政治的要素は皆無に等しいものでした。むしろ、事件に巻き込まれた当事者とその家族の心理を描いたドキュメンタリーに近いものです。

演出に多少大げさな部分はありますが、全体的には見ていて非常に緊張感と、生き埋めという状況からくる息苦しさがリアルに伝わって来ました。特に崩落のシーンから気絶に陥るところは秀逸です。

メインのシーンが生き埋めであるため、役者はほとんど身動き出来ない訳ですが、セリフ回しや表情に言葉遣いなど全て臨場感抜群でした。特にニコラス・ケイジが素晴らしく、瀕死の演技は本当に死に掛けているようにしか見えません。この演技力は流石としか言いようがありません。

オススメ度は4−。こういうドキュメンタリーはTVの延長になってしまうので敬遠されがちとは思いますが、不愉快になるような思想も盛り込まれず、ただひたすら事件に巻き込まれた当事者と周囲の人間をメインに描かれているため、非常に灰汁の無い見やすい作品と思います。
重苦しい事件が元になっていますが、見て損はない作品ですので、それで何か考えてみるのも良いかもしれません。

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