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裏切りのサーカス

東西冷戦時代、イギリス諜報部は責任者であるコントロールと、その右腕のスマイリーを解雇する。それから間も無くコントロールは死去、スマイリーは折り合いの悪かった妻との別居に陥る。
ある日、スマイリーは大臣に呼び出され、諜報部内に裏切り者が居る事を告げられる。そして、元諜報部で今は外部の人間であるスマイリーが裏切り者の調査に最適とし、その任務を負わされる事になる。

主演はゲイリー・オールドマン。
本作は完全なスパイ映画です。007やミッション・インポッシブルのようなアクション要素は皆無、コメディやラブロマンスもありません。かなり徹底した純粋なスパイ映画と言えます。
引退させられた元諜報員が、大した情報も無しに裏切り者を探させられるという、なかなか雲を掴むような気の遠くなる話でした。一体どのようにして探すのだろうか、というのが気になる所でしたが、それよりも関わっている人物達の相関関係がかなり複雑で入り組んでおり、そこを紐解く過程の方が面白かったです。

話の途中でちょくちょく現役時代のシーンが挟まれるのだけれど、何か意味があるのかと思っていたら、作中で「古き良きサーカスは去った」というフレーズがあり、このシーンがその古き良きサーカスだったのかなと感じました。現状の人間関係を壊しかねない調査だけに、スマイリーを中心にどうにも情緒的な印象を受けます。作中で身内を調査させられる事に怒った人物も居ただけに、やはり諜報員にとって味方を疑うのはタブーで、にも関わらず本当に裏切ってしまった者には容赦は無いのでしょう。

終盤までなかなか話が繋がらず、裏切り者が誰なのかが非常に分かり難い展開でした。それだけに、あっさりとしたあのラストは、重く捉えるのか軽く捉えるのかで評価が分かれそうな気もします。僕は妥当に思えたけれど、もっと各々の心情を掘り下げて貰えたらな、とも思いました。

オススメ度は3+。純粋なスパイ映画だけに、派手さが無い事が物足りないと思う人も居るかも知れません。心理戦が好きな方には是非ともオススメしたい映画です。

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