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ソハの地下水道

第2次世界大戦中のポーランドは、ナチスドイツの侵攻を受け、あちこちでユダヤ人狩りが行われていた。水道工のソハは、副業で空き巣をしながら細々と家族3人で暮らしていたが、ある日、下水道に身を隠そうとしていたユダヤ人の集団を発見する。ソハは彼らに対して安全に潜められる場所を案内、その見返りに多額の報酬を要求する。


第2次世界大戦中に実際に起った出来事を元にした作品。
ナチスドイツに抵抗しユダヤ人を匿う美しい作品、と思わせておきながら、登場人物達が皆良くも悪くも人間的で生々しく、単なる戦時中のユダヤ迫害を描いた映画とは全く異なっていました。主人公ソハはあくまで金が目的で、匿われているユダヤ人達も考え方がそれぞれ異なっており、終始衝突を繰り返しています。ナチスの捜索も本格的になっていく中、非常に危険な橋を渡っているソハも、ユダヤ人達が自分にまるで感謝していない事に嫌気が差したり、かつての友人がナチスの将校になっていて微妙な関係になったり、最後まで変わらない人や徐々に変わる人もいたり、ともかく人間同士の立ち位置がどれも絶妙で面白かったです。
やはり題材が実際の出来事であるだけに、変に飾った部分や露骨なドラマチックさが無いので、このドロドロした人間ドラマが生まれるのだと思います。
こういう虚飾無しで本音でぶつかる人間ばかりの映画というのは、今時珍しいように思います。舞台が舞台だけになかなかエグい描写もあるけれど、戦争映画というジャンルとしては重要な作品だと個人的に感じました。

オススメ度は5−。実話ベースだけに、かなり濃厚な人間関係を観る事が出来ます。ただ、エグい描写が少なくないので、ある程度は覚悟して観る必要があると思います。

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