相棒シリーズ X DAY
明和銀行システム部担当の男が、謎の転落死を遂げる。死体の側には焼け残った帯付きの札束が１つあるだけだった。
捜査一課の伊丹、三浦、芹沢の３名は早速殺人事件として捜査を始める。しかしその矢先に、サイバー犯罪対策課の岩月という捜査官が事件現場へ駆けつけてきた。岩月は、ネット上に不正な手段で謎の情報をばら撒いていた人物を捜索しており、その人物こそが転落死した被害者だった。
人気ドラマシリーズである「相棒」の映画のスピンオフ作品です。今回の主人公は、捜査一課の伊丹になります。
金融絡みの犯罪という事で、なかなか全体像が掴めそうで掴めない、ドラマでもよくあるうまい捜査展開を見せる構成でした。一体誰が犯人で、誰が指示をして、誰が巻き込まれて、といった感じであれこれ想像しながら見ていくのだけれど、案外情報は綺麗に整理されているため、それほど難しく考えるほどでもありませんでした。金融犯罪とかサイバー犯罪と聞くと、これは難しい内容なのではないかと身構える人もいるかも知れませんが、そもそも主役の伊丹がそういう事にはまるで疎いので、同じ視点で観ているとさほど苦労はないはずです。
伊丹と岩月の掛け合いは、先日最終回を迎えたドラマの相棒の後半でも少し見る事が出来ましたが、本作の方がずっと軽快でキャラもはっきりしていて非常に面白かったです。体力派と頭脳派の組み合わせは、初期の杉下亀山コンビを彷彿とさせるものがありますが、こちらはほぼ対等の関係である事と、岩月は本当に頭脳だけで体力が無いのが違いでしょうか。
終盤ですが、本当に唐突に思える終わり方をしました。ある意味リアリティがあると解釈も出来るけど、いまいちすっきりしない後味の悪さと、こう現実生活にも不安を煽るような投げっぱなしさが鼻に付く印象を受けました。あんなに殺人事件のウラに何がある、とこだわってたのに、犯人捕まえたら捜査終了となったのも納得がいきません。もうちょっと最後に、届かなくても一矢報いようとするシーンがあっても良かったのではないかと感じました。本当に報いたらクビになるだろうけど、どうせフィクションなんだし。
オススメ度は３＋。結局のところ、楽しめたのは伊丹岩月の掛け合いと、普段温厚な生活安全課角田課長のカチコミシーンぐらいだと思いました。脇役達には満遍なくスポットが当たっているので、あくまで脇役ファン向けの映画という印象です。
Posted: 3 月 23rd, 2013 under 2013, 映画.
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