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エンド・オブ・ホワイトハウス

大統領のシークレットサービス、そのリーダーだったマイケル・バニングは、不慮の事故により大統領夫人を死亡させてしまった引責で、財務省へ配置転換となる。
それから一年半後、朝鮮半島の南北情勢が緊迫する中、この問題を解決しようと韓国のイ首相がホワイトハウスを訪問する。会談は恙無く行われたのだが、その最中、突如ホワイトハウス近郊の航空規制域に所属不明の輸送機が出現する。輸送機は空軍の指示に従うどころか逆に撃墜、そのままホワイトハウス周辺に機銃を掃射し始める。そして、その混乱に乗じて謎の部隊がホワイトハウスの入り口へ集結を始めた。


主演はジェラルド・バトラー。共演にアーロン・エッカート、モーガン・フリーマン。本作はジェラルド・バトラーのプロデュース作品だそうです。
ホワイトハウスがテロリストにジャックされたら、というフィクションのアクション映画です。その内容から、公開前から「この方法でホワイトハウスを占拠するのは不可能」と批判があり、また北朝鮮からも我々を不当に貶める内容だと声明が発表されていました。内容を見た限り、北朝鮮はさておき、確かにここまで都合良くは進まないだろうなという印象はありました。けれど、悪役である北朝鮮系テロリスト集団の本当に容赦の無い振る舞いや、ジェラルド・バトラー演ずるマイケルの孤軍奮闘ぶりは、意外と緊張感と説得力のあるものであり、個人的には非常に楽しめる作品でした。突っ込み出したら切りは無いけれど、同情の余地無しの徹底した悪役、大統領周辺の葛藤と混乱、そして分かりやすい明確な結末と、エンターテイメントとしてはとても良く出来た作品だと思います。
本作は、今も尚記憶に残る9.11の事件を意識したものだそうで、アメリカは絶対強者の国ではないという意図が良く現れていました。現実には、大統領を人質に取った時点で交渉はアメリカ側から打ち切って報復開始なんだろうけれど、徹底抗戦派と穏健派に別れ事態を収拾出来ない様は、まるで巨人が背中を掻けないような印象を受けました。テロには強い国という印象はあるけれど、本国の人の中にはこういった視点を持つ人もいるのかも知れません。
個人的に残念なのは、マイケルがこんな危機的状況に自主的に駆け付け、孤軍奮闘する動機が今ひとつ伝わり難いこと。大統領とは友人であったから、国民としての正義感がそうさせる、などなど色々解釈はあるけれど、作中ではこれといった明言はありませんでした。けれど、ラストに大統領と握手するカットがその答えなのかなと勝手に想像しています。

オススメ度は4+。世界情勢を絡めたかなりハードなアクション映画です。緊張感を強いる濃い内容なので、がっつり集中して観たい人には是非ともお勧めする作品です。

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