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許されざる者

1880年、幕府と倒幕派の戦いは幕府側の降伏という形で決着する。幕府側の人間は倒幕派に駆り立てられ、いずれも地の果てまで逃げる有り様だった。
かつて幕府に従軍していた釜田十兵衛は、人斬り十兵衛という異名で恐れられていた。そんな彼は、蝦夷地の辺境で幼い子供二人と百姓をして過ごしていた。そんなある日、十兵衛の元をかつての戦友である金吾が訪れる。彼は、女郎を切り刻んで賞金をかけられた開拓兵の儲け話を十兵衛へ持ちかける。だが十兵衛は、既に人は二度と殺めないと心に誓っていた。


主演は渡辺謙。柄本明、佐藤浩市などが共演しています。
クリント・イーストウッド主演の同名の映画を、日本を舞台にリメイクした作品です。

かつて人斬りだった冷酷非情の男が、再び人を殺めようとするお話。そこには、幕府や官憲、アイヌ民などの問題も絡んできます。
主人公の十兵衛ですが、正直なところあまり良く心理描写が伝わって来ない感情移入し難いタイプの人物に映りました。あまり多くを語らない寡黙な性格かと思えば、どうにも単に電波を飛ばしてるような印象もチラホラ受けます。何というか、いちいち非常に周りくどい言動が多く、彼が絡むと途端に話のテンポが緩慢になるように思いました。逆に、佐藤浩市演ずる大石一蔵は、同じようにキレてるタイプではあるけれど、割と明確な行動理由があり、容赦のなさはなかなかのヒールぶりだと思います。もっとも、こちらもこちらで、時折訳の分からん行動をしたりするのですが。
どろどろとした復讐劇に近いものの、全体的に非常に蛇足感の多い、テンポの悪い作品だったと思います。いちいちダラダラと1シーン1シーンを引き伸ばさず、もっとテンポを考えた方が良いと思いました。特にクライマックスの大立ち回りのシーンなど、何故ああいった演出にしたのか首を傾げざるを得ません。余計な描写を切り捨てるだけでも、随分印象は変わったのではないのでしょうか。それと個人的に、三池崇史を意識したような構成に感じました。

オススメ度は3+。思っていたより緩慢な作品でした。これと言った見所はありませんが、取り敢えず出演者のファンであれば良いのかなと思いました。

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