Lazy Bear

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渇き。

元刑事の藤島は、ある日別れた妻から連絡を受ける。それによると二人の娘である加奈子が、5日も帰宅していないとの事だった。早速加奈子の荷物を調べてみると、そこには明らかに違法と分かる薬物があった。加奈子には誘拐の可能性があること、そしてその相手は質の悪い人物であること。それらを考慮した上で藤島は、警察には連絡せず自分で加奈子の行方を探すことにする。


監督は中島哲也。主演は役所広司。
嫌われ松子の一生、告白、とショッキングで独特な世界観を持った作品を世に送り出してきた、中島哲也監督の最新作。
本作は、主人公藤島の娘である加奈子を捜索していく内に、今まで知らなかった娘の本性を知っていくといった内容です。
この加奈子というのが極普通の女子高生かと思えば、藤島を驚愕させるほどのとんでもない人物だった、というのが主な筋であるのですが、藤島自体が冒頭から見た目で分かるほどの相当なダメ人間でした。駄目というよりはクズ寄りの方かも知れません。序盤はそのインパクトにびっくりしますが、それ以上に良くも悪くも個性的な人間ばかりが現れ、とにかく登場人物のほとんどがとんでもない連中というカオス感を醸し出します。
本作において、とにかくドラッグや血しぶきやら狂人やらが当たり前のように出て来るので、かなり世界観はデフォルメされているように思いました。そういった黒い要素に加え思わせぶりなセリフが良く並べられるので、どうにも作品としての立ち位置が今ひとつよく分かりませんでした。個人的な見方として、とにかく狂人同士がサカッてる姿を並べた品評会のように思えました。そういった印象から、著名な俳優ばかり使っている上に各々の熱演もあるにも関わらず、訳の分からない妙な展開になったように思います。「こうしておけばショッキングだろう!」というエゴを見させられているようで、かなり迷走した作品と言えます。
本作は学生限定で1000円という割引キャンペーンをやっていますが、こんなのを学生に積極的に見せてどうするのか、という感じがします。むしろ、学生にわざと過激なものを見せる事で満たそうとする下品な意図が見え透いてる気がします。

オススメ度は3+。ショッキングな映像の連続の割に、さほどストーリーは印象に残るようなものもありません。意外と見所らしい見所も無く、なかなか勧めにくい内容です。

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