Lazy Bear

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ローグ アサシン

FBI捜査官のクロフォードとトムは、日本のヤクザに関わる任務中にローグという名の殺し屋に遭遇する。重傷を負うクロフォードだったが、ローグはトムに射殺され事無きを得る。しかしそれから間も無く、トムは家族諸共ローグに惨殺されてしまった。
それから三年後、ローグへの復讐を誓うクロフォードはローグがヤクザ街に姿を現したことを知る。

ジェット・リーとジェイソン・ステイサムという二大アクションスターが共演するマフィアの抗争と復讐劇を描いたアクション映画。監督はこれまでミュージックビデオが専門だったというかなり異色のスタッフです。
ストーリーとしては割とベタな内容で進んでいき、唯一ローグだけがイマイチ何をしたいのか分からない不気味な立場でした。ローグを演ずるジェット・リーは、前作の「SPIRIT」を最後にカンフーを封印すると宣言した訳ですが、その影響はモロに出ています。今ひとつローグの強さや不気味さが際立たず、単に逃げ足の速いだけにすら見えてきます。これはかなり勿体無い。ジェット・リーは基本的に悪役を演ずるのは稀で、ハリウッド映画初出演の「リーサル・ウェポン4」ぐらいだったはず。その時は素手で拳銃を破壊しカンフーで圧倒的な強さを見せる凄腕のマフィアだったけれど、あれぐらいの事をしてくれた方がローグの存在感が際立ったと思われます。

ただ、この作品。実は脚本が単純に見えてかなりの伏線が張り巡らされています。それも何気ない会話ややり取りに、大胆に堂々と。それがラストの急展開に繋がってくる訳で、その時にこそ「ああ、なるほど」と思わず感心させられます。なのである意味ではローグは「なんかパッとしないなあ」と否定的に見てしまうのは正解。

ジェイソン・ステイサムは劇中で突然珍妙な日本語を喋りだします。しかもあの悪人顔で。そして作品全体には、一昔前の明らかに間違っている受け入れ方と解釈をされた日本文化テイストがちりばめられています。それを一度気にしてしまうと思わず笑いそうになってしまい、どうにもこうにものめり込みにくかったりします。「ラストサムライ」であれだけ勉強したと思ってたんだけど。なんだかねえ。

そういえば主演のこの二人、共演するのは何気に二度目ですね。前回は「ザ・ワン」という、ジェット・リーが「マトリックス」のオファーを蹴って出演した映画。

オススメ度は4−。ベタな脚本に巧妙な伏線と若干のどんでん返し。適度な緊張感とサスペンスを要り交えた良質のアクションです。ただ、ジェット・リーのカンフーはまるで出てこない煮え切らなさと、珍妙な日本文化には御注意。

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