Lazy Bear

Categories

Archive

Site search

Feeds

Meta

怒り

八王子市で夫婦二人が惨殺される事件が起こる。犯人は現場に怒の血文字を残し、その後一年以上に渡って警察の捜査から逃げ続ける。
その頃、千葉、東京、沖縄と、それぞれに素性の知れない不気味な男が現れていた。


主演は渡辺謙、妻夫木聡、松山ケンイチ。逃亡中の殺人犯と、謎の男3人それぞれの群像劇のようなサスペンス映画です。
それぞれがいわゆる弱者としての立場から話を進めていき、どの男が犯人なのか、という走り出しでした。タイトルの怒りと重ねるとルサンチマン的な意味合いを強く感じ、いずれも公に出来ないような様々な問題を抱えています。とは言っても怒りの意味合いがどれもやや異なる気がしないでもありませんでした。
冒頭の殺人事件は、なかなか3人の話のいずれにも絡んできません。後半それぞれが疑われ始めると、あっという間にそのまま真相まで来ます。この作品は殺人事件どうこうよりも弱者の怒りを描きたいのか、と思えました。そのため、じゃあなんで殺人事件が? という結構根本的な所に疑問が無いでもありません。
犯人は結構テンプレートなサイコパスで、正直そこに怒りがどうというのは感じませんでした。むしろその末路の方に怒りの純粋な部分を感じます。

オススメ度は4−。オムニバス的ですがいずれも陰鬱な話ばかりで、結構心に来るかも知れません。明るい要素が本当に僅かなので、気持ちが落ち込んでいる時は観ない方が良いと思います。

Write a comment