Lazy Bear

Categories

Archive

Site search

Feeds

Meta

永い言い訳

人気作家の津村は、ある日突然バスの事故で妻の夏子を亡くす。だが妻を亡くした実感も無ければ、そもそも妻以外の女性と関係を持っていた津村は、人並みに悲しむ事ができなかった。
そんなある日、事故を起こしたツアー会社の会見の席で夏子の親友であるゆき、その夫の大宮と知り合う。妻を失い家庭環境が激変した大宮家、その惨状を目の当たりにした津村は子供達の面倒を見る事を申し出る。


主演は本木雅弘。
突然妻を失い、その現実をうまく直視出来ない作家が他の家庭に触れ合う、そんな始まりの人間ドラマの作品です。
主人公である津村は、最初は本当にどうしようもない性格の男で、妻が死んでも特に泣くこともなければ非常に淡々とした振る舞いをしていました。そんな彼が大宮の子供達の面倒を見始めると、途端に良いマイホームパパに変わっていく展開は非常に面白かったです。ただしこの作品、とにかく人間ドラマにありがちな綺麗事やお為ごかしがほぼほぼ排除されています。いかにも献身的な津村の行動も結局は逃避の一種と言われたり、大らかに見える大宮も子供から見ればそうでもなく、そういったひずみや不平不満がしっかりと表に出るのが非常に素晴らしいです。
周囲と折り合いをつけるにしても、如何にしてどうつけるのか、現実でのそれの難しさを良く表した作品ではないのでしょうか。
役者陣の演技も素晴らしかったと思います。主演の本木雅弘もそうだけれど、意外にも脇役や子役までもなかなか良い演技だったように見えました。特に大宮の息子真平は地味に大人達を繋げる素晴らしい演技だったと思います。

オススメ度は5。なかなかエグい内容の多い作品ですが、非常にホッとする不思議な爽快さのある作品だと思います。最後のシーンのあっさりさは逆に色々と考えてしまい、妙な深さを感じます。

Write a comment