Lazy Bear

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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

金融会社に勤めるデイヴィスは、突然の事故で妻を失う。しかし物事に興味が薄く面倒と感じる性格の彼は、妻の死にもさほどショックを受けなかった。
そんな自分を客観的に見て問題があると感じるデイヴィス。彼は、修理するにはまず分解する、という義父のアドバイスにより、関心を持った物を分解するようになっていく。


主演はジェイク・ギレンホール。
情緒的に不感症の男が妻の死をきっかけに、自身を破壊して再生するお話かと思ったのですが。これは個人的な印象ですが、主人公は自分の破壊と変質を止める事が出来ていないように感じました。自分の中の変化に戸惑いながらおかしな行動を取ったり、顧客係の女性とその息子と交友を結んだり、そういった中で自分とどう向き合い折り合いをつけていくのか、そういった話に思います。
妻が死んだけど泣けない、という冒頭からどうしても連想してしまうのが、去年に公開した「永い言い訳」。こちらの主人公は自分の虚栄心を壊し、人間性を獲得しつつも結局はその体験すら本のネタにする業のようなものがありました。本作は人間性を壊しながら再構築、変質させていく過程の話です。似ているように感じるのは本当に冒頭だけで、全く別物の作品です。主人公の壊れ方も、それが目的となっていない本当にギリギリの線をいっていると思いました。あれ以上は多分やり過ぎと感じて冷めていたでしょう。この狂気のさじ加減は本当に絶妙です。ただ、ジェイク・ギレンホールの役どころがまたこの路線なのか、といささか思った所もあります。

オススメ度は4+。素直なタイプのヒューマンドラマではありませんが、このジャンルの好きな人は楽しめると思います。特に子供の居る方は何かしら思うところはあるかも知れません。

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