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ジェシー・ジェームズの暗殺

ジェシー・ジェームズは19世紀のアメリカで最も有名なアウトローの一人だった。兄のフランクと共に数々の強盗や殺人を繰り返し裁きの手を逃れ続ける彼は、生きながらにして半ば伝説と化していた。
ジェームズ兄弟に憧れ、列車強盗に加わったロバート(ボブ)とチャーリーのフォード兄弟。とある列車強盗の後徒党は解散、ロバートはジェシーと行動を共にするようになる。

主演のブラッド・ピットのプロデュースの伝記映画。ジェシー・ジェームズとはアメリカでは非常に有名な強盗だそうです。
事実検証に基づいて書き起こされたシナリオのためか、非常にエンターテイメント要素の薄い淡々とした渋い作品に仕上がっています。実在した人物を元にしているのであれば、無駄な演出は加えない方が良いので作風は落ち着いて重厚になりました。

ブラッド・ピット演ずるジェシーは、なかなか不気味な人物でした。ニヤニヤ笑ったかと思えば急にテンションが下がったり、何を考えているのか最後まで今ひとつわからないのが逆に魅力的でした。兄がジェシーを遠ざけている理由が窺える演技だと思います。

そしてロバート、作中ではほとんどボブと呼ばれてますが、彼を演ずるケイシー・アフレックの鬱陶しさときたら。作中でも野心ばかりで何も出来ないから周囲には冷やかされてばかりで、異様とも言えるジェシーに対する崇拝振りは、ジェシーとは違う意味で不気味です。実際のロバートがどういう人物かは知らないけれど、役作りは徹底していると思います。

ここ何作もブラッド・ピットはろくな映画に出てなかっただけに、久々に彼らしいとんがった映画を見られた事が満足でした。作風は完全に好みの問題なので好き嫌いが分かれそうだけど、僕は訳分からんドンパチや空気読めてない名セリフっぽい演説が嫌いなので、そういうのが排除されてるだけに非常に集中して観賞出来ました。ブラッド・ピットの鬼気迫る演技だけで緊張感が十分持続すると思います。

オススメ度は5−。ブラッド・ピットのファンや、娯楽映画に食傷の人には特にオススメです。ただし観賞時間が少々長いので、集中力が続かない人にはあまり向いてないかもしれません。

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