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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

ニクソン政権下のアメリカ、一向に決着のつかないベトナム戦争に人々の反戦ムードが高まっていた。ワシントン・ポストのキャサリンは、有能なレポーターを確保するため株式の公開に踏み切ろうと画策していた。そんな中、突然と何者かがベトナム戦争についての機密文書を流出させ、それをNYタイムズが掲載する。すぐさまニクソン大統領からの圧力を受けるが、これを見たワシントン・ポストのブラッドリーはなんとしても機密文書を手に入れワシントン・ポストでも掲載しようと奮起する。


主演はメリル・ストリープ、トム・ハンクス。監督はスティーブン・スピルバーグ。
これはアメリカで実際に起こった、機密文書流出にまつわる事件を題材にした作品です。この機密文書というのが、当時の政権だけでなく代々の大統領が戦況を意図的に捏造したり、逆に戦線を拡大させていったなどという、公にしていた情報とは全く異なる内容が記されたものです。当時は反戦ムードが高まっていたため、当然世論の反発は避けられず、そういった背景からこの文書を掲載する事について非常に重い舵取りを迫られるストーリーになっています。
見どころとして、やはりメリル・ストリープとトム・ハンクスの絶妙な掛け合いがあると思います。どちらもベテランの名優であり、テンポの良いそのやり取りは見ていて実に小気味良いものでした。
ストーリーとしては、まずキャサリンが案外この機密文書掲載についてタッチしている部分が薄いということ、テンポ重視のためか割と都合よく話が進んでいく所が気になりました。掲載するしないの判断には、これまでの政権とメディアの関係や刑罰など色々な側面から悩み抜いて決断する、という感じだと思っていたけれど、ブラッドリーは絶対に退かない姿勢を最後まで崩さず、キャサリンは割とあっさり決めてしまった感じがあり、色々お膳立てしてるのになあという拍子抜けさが否めませんでした。
作中でやたらニクソンについて批判し、ボロクソにけなしているのがちょっと気になりました。どうにもこの辺が恣意的なものを感じたりします。
そしてラスト、ウォーターゲートと警備員という、思わずニヤリとしてしまうオチが非常に良かったと思います。

オススメ度は4−。社会派という割にはやや感情論が先走った感じの作品のように思います。名優二人の掛け合いは見事なので、ファンの方には是非ともオススメです。

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