Lazy Bear

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告白小説、その結末

精神病の末自殺した母親を題材にした小説がベストセラーとなってしまったデルフィーヌ。彼女はそれについて複雑な思いを消化しきれず、長いスランプへと入り続ける。更には親族らしき差出人不明の中傷の手紙まで届くようになり、デルフィーヌはより追い込まれていってしまった。
そんな中、エルと名乗る美しい女性のファンに出会う。彼女は普通のファンとは違い、デルフィーヌの思いを良く聞いて正直な意見を述べてくれた。デルフィーヌにとって大切な友人となった彼女だったが、力になると言ったエルの行動は徐々に常軌を逸し始める。


監督はロマン・ポランスキー。
熱心なファンが徐々に常軌を逸した行動に出て来る、というのは往年の名作「ザ・ファン」を彷彿とさせます。
本作もまた同様に、主人公の元へ突然と現れた熱心なファンに心をくすぐられ距離感を縮めて行き、やがては自宅にまで招いてしまう、そういった展開です。
エル役のエヴァ・グリーンは、ミステリアスで綺麗だけど、どこか得体の知れない怖さがあり、そのオンオフを目だけで表現していました。デルフィーヌのためにやっているけれど、それが受け入れられなかった途端にスイッチが入る。ここが本当にゾクッとくるところです。
エルは単なるファンではなく、何か得体の知れなさ、正体の見えなさが本当に良かった。この辺りのサイコサスペンスぶりが素晴らしかった。オチは割と普通だったし、勘のいい人なら途中で目的も正体も気付くと思いますが、この緊迫した空気感は見事だったと思いました。

オススメ度は4−。オチは弱いかなと思いつつ、そこに至るまでの緊張感が本当に良かったです。けれど示唆の多い表現は人によっては受け付けないかも知れません。

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