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嫌われ松子の一生

荒川の河川敷で殺人死体として発見された川尻松子。彼女の甥に当たるショウは、不思議な人生を送ってきた松子の足跡を辿る。


今年に入ってからやたら予告編で見るようになったこの作品。おそらく今も宣伝が積極的に行われているので話題性は非常に高いでしょう。

物語は川尻松子という人物の人生を回想するような展開で進んで行きます。ただし、コメディタッチの演出とミュージカル調の演出がふんだんに盛り込まれています。
川尻松子の人生は非常に悲惨で、まさに絵に描いたような不幸の連続なのですが、前述の演出により幾分かはソフトな印象を受けます。あくまで幾分かです。

出演している芸能人は多数で端役も非常に多く、ありがちな駄目邦画のパターンを忠実になぞっているのですが、どういう訳かこの映画に限ってはまるで嫌な印象がありませんでした。むしろ効果的にすら思えます。
そういった側面や特殊な演出により敬遠されるように思うかもしれませんが、この映画は意外と骨太で良く作られているかなりの良作です。予告編や宣伝とは実際の内容はかなり異なる印象を受けるかもしれません。馬鹿馬鹿しく表現はしていても、これはあくまで不幸な人間の物語です。人間とはこうやって生きるものだよという啓蒙的な意味は皆無とは思いますが、見終わった後に不思議と色々考えてしまったり、時には自分と重ねてみたりする、後からじわじわと噛み締めても面白かったです。

若干気になるのは尺の長さとラストのラストのグダグダ感。ここが非常に勿体無いです。
もうちょっとスパッと切ってくれると最高だったのですが。

オススメ度は5−。とりあえず見る事をオススメします。これは良い意味で予想を裏切ってくれる映画です。あまり愉快な気持ちにはならないとは思いますが、150分を割いて見るだけの価値はある映画です。

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