Lazy Bear

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CURED キュアード

感染者を凶暴なゾンビのようにしてしまうメイズウィルス。数年後、治療法は確立され完治した元患者達は回復者と呼ばれ社会へ復帰していく。しかし世間は回復者達に対して差別的な目を向けていた。
回復者の一人であるセナンは、義姉のアビーの元へ身を寄せる。世間の差別にも構わず優しく接するアビーだったが、セナンとは治療所に居た頃からの知り合いであるコナーが接近してくる。コナーは回復者差別に対して回復者だけの活動組織を結成し、そこにセナンを勧誘する。その執拗さに一度は活動に参加するセナンだったが、彼の組織は無関係な人間の死をも厭わない過激な活動をしていた。


いわゆるゾンビ物にジャンル分けされる作品。しかし本作はゾンビの驚異というよりも、ゾンビから回復してしまったその後の社会を描いた内容になります。回復者への差別、差別に対する暴力的な反発と、フィクションよりもシミュレーションに近いような内容に感じました。
セナンは厄介者である自分を受け入れてくれた家族との調和を、コナーは自分を抑圧する社会への不満を差別撤廃を題目に暴力活動を重視して行動します。その中でコナーのセナンに対する執着心はやや常軌を逸しているように思いました。同性愛的な要素なのか、コナーがポジショントークしか出来ない制震構造なのか。ともかく、この執着心が状況を厄介にし、終盤の大それた事件を引き起こしてしまったと考えると、国難においても足の引っ張り合いしかできない昨今と何だか重ねて見てしまいます。

オススメ度は4。ゾンビ物とは一味違った内容です。なかなかエグい描写もあり、意外と精神的にくるものがあるかもしれません。

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